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プリンス達の秘め事

第2章 ほろ酔い 今夜はいつもより××【ゼノ】


「…っゼノさ、ま…あぁっ……」
「…っ……!!」

ひときわ鋭い嬌声をあげたプリンセスの体から力が失われ、ソファの座面に突っ伏すように崩れる。
彼女の果てとほぼ同時に吐き出された欲にゼノもまた目眩のような感覚を覚えながらも、プリンセスの体を下から支えるように腕を差し込む。

「プリンセス…すまない、平気か…?」

返事のないプリンセスを覗きこむも、額に髪を張り付かせた彼女は穏やかな表情で目をつむっていた。
弛緩した体とは対照的に未だ不随意な痙攣が治まらないプリンセスから、名残惜しくも腰を引く。

(かなり無理をさせてしまったな…明日の公務の予定を聞いていなかったが…)

自身の呼吸が落ち着くのを待って、すぐそばの綺麗に整えられたベッドへプリンセスを抱え運ぶ。
しっとりと汗ばんだ体から体温が奪われないよう、シーツを掛ける。
脱ぎ散らかした互いの服を皺が残らぬよう簡単に片づけ、プリンセスの隣へ身を横たえる。

(酔っていたとはいえ、こうも自制がきかなくなるなんてな…プリンセスに酔った俺は一生酔いから醒めることはないだろうな)

熱に浮かされた思考のまま自嘲と反省を繰り返しながら甘い気怠さに身を任せ、眠りに落ちた。
























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おまけ




滞在するゼノの部屋から少し離れた廊下で所在なさげに佇む長身の影に声を掛ける。

「…アル?そんなとこに立ち尽くしてどうしたの?」
「いや…」

ユーリの声に振り返ったアルバートは、眉をしかめたままその頬をうっすら染めていた。

「…急用?ゼノ様に用件を伝えるを待ってたらそのまま朝になっちゃうよ?」
「……用事というか…ゼノ様がいつもより酔っておられたようだったから様子を見に…」

謹厳実直を体現したような男に、甘やかな恋人同士の睦を察しろと言う方が酷だろうか。

「そんなこと、アルが心配するまでもなくプリンセス様に任せておけばいいの!!ほら、アルは俺と酔い醒ましに紅茶でも飲みに行くよ」

このことを見越して、プリンセスのスケジュールは翌日ゆっくり組まれているのである。
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