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Aprikosen Hamlet ―武蔵野人狼事変―

第4章 「月」THE MOON


﨔木「そう。そして、あの爆発を目撃し、巻き込まれた俺達は皆、食人種のウイルスを取り込んでいます。その中で、劣性感染者の発症する確率は…6分の1」

塔樹「約16.7%だな。六人に、一人…!?」

生田「て、ゆう事は…?」

斎宮「お…おい、マジかよ…!」

 﨔木長門が何を言おうとしているのか、一同は既に理解していた。それを承知した上で、﨔木夜慧は改めて前を向いた。そして…。

﨔木「この中に一人…いや一匹、『人狼』が居ます。犠牲者が生じてしまう前に、『彼』を特定し、処刑すべきだと考えます。それが…俺からの、発議です」

 静かな、冷たい声が、アプリコーゼンの狭い四方に響いた。それは、ゴーストタウンの密室を舞台に、「魔女裁判」の開廷が言い渡された瞬間であった…。
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