• テキストサイズ

【HQ東】君の相手をこの俺に

第8章 私の相手は貴方だけ


「お帰り」
と東峰を見つけ、笑顔を向ける名はあのドレスに身を纏い、髪をあげ、友人にメイクを施されていた。その姿は座っているだけでももう、言葉に出来ない程美しく思えて立ちつくすしか出来ない東峰。大人っぽく笑う名に男が放っておかないだろ!と内心は大騒ぎ。
「何か言ってあげなよ東峰。はい、名終わりっ。後は本番前に軽く確認して」
「きゃー素敵!ありがとう!さすがメイク志望!」
と二人ではしゃいでいて誉めるタイミングを逃してしまう。二人になってからやっと
「綺麗すぎてヤバいです」
と伝えると名は真っ赤になって照れ
「いや、本当に綺麗だよ」
と続けて言う東峰にどんどん赤くなる名は見えてる肩が赤くなる程に照れて、こんなになる事もあるんだなと東峰を冷静にさせた。そして、ふと思い出した様に
「名」
「え?」
名を呼ばれ振り向く名に
「あー、パフォーマンスは良いって言ってたからさ」
とポケットの中からビーズの指輪を出し
「ウェディングだし、名だけないのもなんかなと思って」
と名の指にはめた。しかもサイズが合わず何度か試して収まりが良かったのが薬指。東峰は合う指があって満足そうにして
「ごめんな、指輪はちょっと高くて・・・。男が作るとか気持ち悪いけど結構様になってるだろ」
と照れくさそうに頬を掻く東峰。あの時、指輪を探したが結局買えず、モール内を回っていた時に見つけた手芸屋。名の好きなものだしなとふと入ってみたら手芸コーナーにビーズの指輪のキットがあり値段もお手頃で購入したのだ。
途端、ボンッと名が最高潮に赤くなり、見ていた周りの生徒達から非難の声が殺到
「東峰ー!!」
「バカ、バカ!そーゆーのは舞台でやるの!!」
「準備があるなら言いなって!!」
「キャー名しっかりしてー」
「しかも薬指って!」
「左手って!」
「バカなの!?なんなの!?」
「普通今やる!?」
と大騒ぎ。そんな女子生徒達に東峰はたじたじで
「ご、ごめんな名」
と謝ってくる姿に名ははっとして
「だ、大丈夫。あの、ありがとう」
可愛いと満足そうにそうに微笑み返されて、一安心する東峰は
「あ、指輪の位置右手でも良いからな」
/ 54ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp