【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第1章 大胆な告白
「やっぱり?やっぱりそう思うよね?君、見る目あるね。」
食い気味に前のめりになって話し掛けてくる王子様に思わず後ずさり。
「クソ川調子のんな!困ってんだろうが!」
岩ちゃんはそう言って王子様の頭を殴った。鈍く、痛そうな音がした。そして、殴られた王子様はやっぱり痛かったらしく、目尻に涙を浮かべ、痛いよ岩ちゃん!と殴られた頭を両手で抑えていた。
「あの、大丈夫…?」
「いつもの事だから気にしなくていい。」
「ちょっと岩ちゃん!」
「その…急に悪かったな。」
「あ、いや…ちょっとビックリしたけど。」
「こんな事突然言われて困惑したと思う。そもそも俺も突然…告白なんてするつもりなかったし。いや、言った事が嘘って訳じゃねえんだけど、知らねえ奴からこんな事言われたら気味悪いよな。」
気味が悪いとは思わなかったけど、他校性に突然腕を掴まれて告白されるなんて夢にも思ってなかったから驚きはしたが、別にそれが不快だったとかでは無い。ただ、本当にビックリしただけ。だって、告白なんて初めてされたし、そういうのとは全く無縁だったから、誰かに好意を寄せられる日がくるなんて思いもしなかった。
「その、告白した後に、こんな事聞くのも可笑しいと思うんだけどよ…名前、聞いてもいいか?」
「永野郁…です。」
「永野…。」
優しい表情で私の名前を呼ぶ岩ちゃんに思わずドキっとした。