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【YOI男主】激突!皇帝VS風雅人・長谷津冬の陣

第3章 超局地的寒気団、襲来。


昼下がり。
無事「ゆーとぴあ かつき」に到着した純を、勇利達はこぞって歓迎した。
「お世話になります。この度は僕の我侭聞いてくれはって、ホンマに有難うございます」
「純、いらっしゃい!」
「まあまあ、純くん。よう来てくれたとねえ」
「おばさんとは、ジュニアの頃全日本の会場で会うて以来ですね。すっかりご無沙汰してしもうて」

過去に面識のあった母親の寛子をはじめ、勇利から話を聞きつけたミナコや優子と彼女の三つ子達が賑やかに出迎えの言葉をかけてくる。
「アタシ、もう一度見たかったのよ!勇利と上林純が並んでリンクに立つ姿…!」
「全日本での演技も勇利とのコラボEXも、すっごく良かったよ!」
「それにしても、上林純を完全ノーマークだったのは、スケオタ一生の不覚…!」
「明日はアイスキャッスルで発表会やるから、純も勇利と一緒に観に来てね!」
「コラっ、アンタ達は初対面なのに馴れ馴れしい!ゴメンね、純くん」
「ううん、西郡くんにも優子ちゃんにも似てエエ子達やないか。勿論、喜んで観に行くわ。何か手伝う事あったら、遠慮なく言うてな」

明日の約束を取り決めた純は、実家ともう1つ別の所へ長谷津到着の連絡を済ませると、勇利と海岸を散歩したり、検疫その他の都合で未だ長谷津に滞在中だったヴィクトルの飼い犬マッカチンのブラッシングを、喜々として行っていた。
「ホンマ可愛らしいわあ。生のスタプーなんて、僕初めて見たわ♪」
「純って、犬飼ってるの?」
初めて対面した時、1オクターブ程裏返った歓声を上げながらマッカチンをワシワシしていた純の様子を思い出しながら、勇利はすっかりブラッシングに夢中になっている彼に尋ねた。
「飼ってたけど、2年ほど前に天国逝ってしもうてん。せやから、今は猫だけや」
愛嬌たっぷりなブルテリアの画像を純に見せられた勇利は、自分も愛犬ヴィっちゃんこと『ヴィクトル』の話をすると、「去年のGPFでどっか勇利の様子が変やったのは、それもあったんか」「最期に立ち会えへんかったのは、ホンマ辛かったなあ」と慰めの言葉をかけられるも「ネーミングセンスはともかく」とボソリと付け加えられたのが、少々気になった。
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