第2章 本性
キーンコーンカーンコーン
授業が終わり、昼休み。
今日はお母さんが寝坊したということで、購買で買わなければならない。
ということでふーちゃんと一緒に購買へ行く。が、
「な、なんという人の多さでしょう…」
「あれ、美優購買でお昼買ったことなかったっけ?いっつもこんなんだよー」
あるっちゃあるけど、1年の時だし、すっかり忘れてた…。
とはいえ、ここでお昼ご飯を買わねばお昼なし。それでは確実に残りの授業を耐えられる気がしない。
なんとしても買わねば!!と決心をし、いざ、人混みの中へ。
「あっ、ちょっと、すみませ…」
入るやいなや、押され引かれ、えらいこと。
思った以上に波はすごくて、奥に進むどころか、入口に押し出されてしまった。
「…ふーちゃんぅ…お昼ぅ…(泣)」
「ま、まあ、私のおにぎり分けてあげるから」
「うぅ、ふーちゃん…」
「あ、小咲さん、よかったらこれ食べる??」
申し訳ない気持ちでいっぱいになっていると、後ろから声がかかる。
振り返ってみると、同じクラスの…中山くん?(だったかな)が私に向かってメロンパンを差し出していた。
「えっ、いいの!!!!」
「うん、僕他にもいっぱい買ったし、それに…ぜひ美優さんに食べてほしいなって」
この人はなんていい人なのでしょうか!!!こんないい子が同じクラスだったなんて、クラスが変わってもう数ヶ月経つというのに知らなかった。
「ありがとう中山くん!!!この御恩はいずれ必ず!!!」
「いやいや、気にしないで、じゃあ…また!」
そう言って微笑んだ後、教室の方へ歩いていった。
「よかったね美優、しかもそのメロンパンってあれだよ、大人気なのに1日20個の、幻のメロンパン!!」
「そ、そんな貴重なものを…」
今度、お菓子の詰め合わせでも渡そうかな…なんて考えながら、教室へ戻り、ふーちゃんとお昼を食べるのだった。