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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第4章 誓い



「お前が! 犯され、 慰み物に成り下がると言うのならば!―――――――俺が! この俺が! この場でお前を殺してやる!!!!!!」

 アヴェンジャーの瞳の、その奥に、業火が燃えている。魔術回路が、焼けそうに熱い。

 アヴェンジャーは、本気だ。今ここで私が戦う意思を見せなければ、アヴェンジャーは間違いなく、私を殺す。そうしなければ、私はきっと、死ぬよりも酷い運命を辿ることになるのだろう。アヴェンジャーの言葉は、恐らく紛れもない真実だ。私はふと、あの“監獄塔”の日々を思い出した。今となってはひどく懐かしい、アヴェンジャーとの日々。今の私があるのは、あの時、アヴェンジャーが私を“導いて”くれたからに他ならない。カルデアを介した召喚に応じてくれてからも、アヴェンジャーはずっと、影のように在って、私を守ってくれている。私が届かない世界の中であってさえ、私を守ってくれている。私は、何度、アヴェンジャーに助けられているのだろう。そしてそれは……、今もだ。

 自分が悲惨な運命を辿るとか、そういう問題じゃない。私は、アヴェンジャーに応えたい。だから私は、戦う。

 私は、アヴェンジャーがしているみたいに、自分の両手で、アヴェンジャーの頬に触れる。
 虚勢だって、何だっていい。自分の中にある勇気をかき集めて、言葉にする。

「アヴェンジャー。宝具の真名開放を。」
 アヴェンジャーを中心にして、既に魔力は集束を始めている。

「私を―――――、私を解放して!! アヴェンジャー!!!」
 アヴェンジャーは、心底愉快そうに、目を細めた。

「―――――いいだろう。 望むがままに!!」


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