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イケメン戦国~捕らわれた心~

第9章 政宗の花嫁


散々擽られて笑い泣きした後で
また畳に転がった二人

「それにしても
まさか喜多を寄越すとはな」

「秀吉め…」

「…秀吉さんは
喜多さんと知り合いなの?」

「あぁ 一度会ってるな
あれ以来 秀吉のお気に入りなんだ」

「えっ?そうなの?」

「世話好き同志 気が合うんだろ」

「ふふふ…確かに
世話好きだね 二人とも」

「…白雪……無理はするなよ」

「大丈夫 どうせなら
皆に認められる
お嫁さんになりたいし」

お嫁さんと言う言葉に
頬を染め ふにゃりと笑う

白雪に触れたくなって
片肘を付いて横になり
長い髪を鋤く

絹糸の様に艶やかで
滑らかな髪を指に感じながら

白雪の顔を眺める

「……そうゆう顔するからだぞ」

「えっ?」

突然の言葉に
戸惑っている隙に
唇を奪う

「っ…もぅ……」

紅く染まる顔を隠して
ごろりと反対を向く白雪

目前に細い首と
華奢な背中が見える

政宗は その小さな背中を
すっぽりと胸に収めて
幸せそうに笑う

「これなら 蕩けた顔
見えないから 襲われないな?」

そんなことを言いながらも
首筋に 口付けを落としていく

「…んっ…だめだよ…」

「そう言えば…秀吉さんは
花嫁修業を…頼んだって聞いたけど…」

後ろから手を回し 太腿を撫でる
白雪は ぼんやりする頭を賢明に
奮い起たせて 言葉を繋ぐ

「信長様は……喜多さんに
なんの…手紙を書いた…んだろう…」

政宗の愛撫に
だんだんと 抵抗出来なくなり
身体の力が抜ける


「さぁな…そのうち分かるだろ」


皆の顔を 思い浮かべる
あいつらに 報せを書こう


来春の婚儀には 顔を出せと…


彼らの 驚く顔を想像し
白雪の 喜ぶ顔を想って
にやにやと 頬を緩める政宗

白雪の髪に 締まらない顔を
隠すように埋めて
その香を堪能する

愛撫の手を強めると
甘い声があがった

二人の頭上を
銀木犀の芳醇な香りが
通りすぎていく

春は
まだ少し先………
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