• テキストサイズ

イケメン戦国~捕らわれた心~

第21章 闇~秘密の寺(淫獣)~


紅い格子の隙間から
形のよい唇を覗かせて


ゾッとする程
美しい笑みを浮かべ


真っ白な二本の腕を
深紅の格子の隙間から


にょっきりと伸ばし
おいでおいでと手招きする


誘われるままに
鳥籠に近付けば


冷たい指が着物の
隙間に滑り込み


光秀の高まりを捉える


にたりと唇を引き上げて
夏野が淫猥に笑う


赤い舌をチロリと覗かせ
舌舐めずりをすると


光秀に視線を合わせたまま
鳥籠の前に突き出された
逞しいそれに舌を這わせた


程なく甘酒を手に
戻ったお松がその光景に
立ち止まる


「…お夏ちゃん?」


口中に光秀を頬張ったままで
夏野が嬉しそうに答えた


「じゅるっ…あま…ざけ…のむ
じゅるっ…の…ここから…じゅるっ…
おいし…いの…もらう…たくさん…」


「お夏ちゃん…しょうがないなぁ
それは白くてとろとろだけど…
甘酒じゃないんだよ?」


お松もまた
嬉しそうに答えると
膝をおって鳥籠の前に並ぶ


「でもお夏ちゃんが
飲みたいなら協力してあげる」


そう言って
舌を這わせた


二本の舌が
淫らに這い廻り


腰に酷く
甘い疼きを感じる


やがて
舌と舌が絡み合い


とろとろに溶けた舌と
とろとろに溶かされた亀頭の


境目が
分からなくなる頃


立ち上る女達の
甘過ぎる匂いに


眩暈をおぼえた光秀だった





太陽が真上に輝く頃
女達はその身を移される


越後での情報源となるべく
越後妙技庵へと赴くのだ


町娘の格好で籠に乗る二人に
淫猥な色は微塵もなく


今朝の事が
夢の出来事であったかと
錯覚してしまう程に普通だ


「げに恐ろしきは女なり…」


光秀は口中で呟くと
高く清らかな空を見上げた


脳裏に
真っ直ぐな政宗と
真っ直ぐ過ぎる
白雪の顔が浮かぶ


「適材適所か…」


「…?…なにか?」


家臣が顔を覗き込む


「否…なにも…」


光秀は
心の読めない顔に戻り
馬を走らせた
/ 284ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp