• テキストサイズ

【進撃の巨人】ジャン・キルシュタイン

第3章 また生きる事







ガタガタと震え出した身体に、リズム良く動いていたハサミが止まった。



「……ミサキ?」



もう、近くにはいないッ……



アイツ等はここにはいない!



……はずなのに…………



身体が……

記憶が……



あいつ等に縛られて……



まるで呪縛のようだ。



「ミサキッ!!!」



『ッ……!?』



ミカサに強く名前を呼ばれて我に帰る。



「震えてる。」



強い眼差しのミカサにソッと手を掴まれた。



「悪かった。嫌な事だったら思い出さなくていい。」



ミカサは、女性らしく細く綺麗な手をしていたけど、凄く温かくて力強い手で……



『……ごめんね。急に。』



「大丈夫。私は気にしてない。」



私に気遣ってなのか、困った様に笑い、また前を向く。





その背中に小さく問い掛けた。



『……私にも…………大切な人、出来るかな…?』



空に浮かぶ、綺麗な満月。



月を見上げたのは久しぶりかも知れない。



「生きていれば、きっと見つかる。ミサキが守りたいものも、ミサキを大切にしてくれる人も。」



ミカサの声が、やけに頭に残った。




/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp