第1章 promise
それから3日間、朝ごはんを食べ終わると公園に行ってさくちゃんを待ってた。
さくちゃんは毎日来てくれて、桜の下で一緒に遊んだり話をしたりして過ごした。
でも、楽しい日々は続かなくて、4日目に曾祖母ちゃんが亡くなった。
いつものように公園に行くとさくちゃんがいた。
「さとくん!」
笑顔で手を振るさくちゃん。
「さくちゃん、ごめんね
母ちゃんのばあちゃん、死んじゃったから今日と明日、遊べないんだ」
「お婆ちゃん死んじゃったの?」
そう言うと瞳を潤ませるさくちゃん。
「さとくん悲しいね、大丈夫?」
ポロっと涙を溢すさくちゃんを見て、俺は反省した。
その時の俺は曾祖母ちゃんが亡くなったことよりも、さくちゃんと遊べないことを悲しく思っていたから。
見ず知らずの人が亡くなって泣くさくちゃんは、優しい子なんだと思ったら益々好きになった。
葬式が終わった翌日、母ちゃんと俺は東京に帰ることになった。
もうすぐ学校も始まるし、余りゆっくりもしていられないからなるべく早く帰ると言う。
最後にさくちゃんに会いたくて公園に行った。
さくちゃんはその日も待っていてくれて、笑顔で手を振ってくれる。
「おはよ、さとくん」
「…おはよ、さくちゃん」
「さとくん、まだ悲しい?元気ないね…」
心配そうにさくちゃんが、俯いてる俺の顔を覗き込んだ。
「…さくちゃん、オレもう帰らないといけないんだ」
「そうなんだ…まだ忙しいんだね
早く帰った方がいいね?
また、明日待ってるから」
「違う、東京に帰らなくちゃいけないんだ…」