第14章 For your happiness
翌朝は月曜日、普通に仕事がある訳で…早く起きて雅紀が家へ帰る準備をしていた。
「ごめんね、和さん疲れてるのにこんな朝早くに起こしちゃって」
「お前こそ1度家まで帰らなくちゃいけないんだから大変だろ?」
「俺は大丈夫、和さんでエネルギーチャージしたから…じゃあまた会社でね?」
「うん」
雅紀が触れるだけのキスをして玄関のドアノブに手を伸ばす。
「あっ!雅紀忘れ物」
「え?なに?」
「ちょっと待ってて」
俺はリビングに戻り昨日取ったぬいぐみを手に取り玄関に戻った。
「はい、これ…せっかくやったプレゼント忘れんなよ」
雅紀の目の前に尽き出すと一瞬躊躇うようにしてからぬいぐみを手にした。
「和さん、これって…」
雅紀はぬいぐみの首にリボンで付けられた物をじっと見てる。
「この部屋の鍵…いつも勝手に来るから渡しとく、今日みたいに朝早く帰るの大変だから洋服とかも置いといていいし…お前の好きに使っていいよ」
「それってこの部屋に自由に出入りしていいってこと?」
「うん…」
「毎日来てもいいの?」
「うん…」
「泊まっていっても?」
「うん…」
「じゃあ、ここに住んでもいい?」
「それは駄目…」
「なぁんだ、残念!」
『残念』なんて言ってるけど思いっきり笑ってるじゃないか…どうせわかってんだろ?俺の本心じゃないって。
「ありがと和さん…倍どころか100倍幸せだよ…」
「だからお前は大袈裟なんだって…」
「大袈裟じゃないよ…あー!もう今すぐ抱きたくなっちゃったじゃん」
「それは無理だわ」
「わかってるよ、今はこれで我慢する…」
雅紀は俺の顎に手をかけると朝から濃厚なキスをしたあと爽やかな笑顔を残し帰っていった。
「馬鹿雅紀…どうしてくれんだよ、また身体が熱くなったじゃないか…」
朝から我慢を強いられた俺はその夜も無理矢理ねだって雅紀を困らせた。
End