第14章 For your happiness
もうすぐクリスマス、街も人も間もなくやってくる一大イベントの為にソワソワしはじめる。
そんな中、ソワソワしながら俺のところにやって来た可愛い後輩。
「あの、二宮さん…お願いしたいことがあるんですけど…」
顔をうっすらピンクに染めてうつむき加減で俺に話しかけてきた。
「どうしたの?翔ちゃんが俺にお願い事なんて珍しいね?」
「えっと、二宮さんしかお願い出来る人いなくて…」
「俺に出来ることならしてあげるけど、何?智にも頼めないことなの?」
「はい…多分、智さんじゃしたことないと思うんです…二宮さんなら間違いないので」
「ふ~ん、何?」
「あの…メィ…教えてください…」
途中声が小さくて聞き取れない。
「え?何?何を教えて欲しいの?」
「…メイク…です」
「へ?」
顔を真っ赤に染めて完璧俯いちゃってる翔ちゃん。
「どうして?」
「え、と…クリスマスに智さんがホテル予約してくれて、折角だからまた外でデートしたいな、って思って…」
「へぇ、智がホテル?あいつも翔ちゃんの為ならベタなことやるんだねぇ」
「いつも智さんの家に一緒にいるから、たまには外で過ごそうって…智さんの誕生日の時も結局外でお祝い出来なかったし」
「え?そうなの?外でデートしたんでしょ?」
「あ…は、い…でも夕食は家で簡単に済ませてしまったので」
「そうなんだ、なんで外でお祝いしなかったの?」
「えっ!あの…智さんが早く帰りたいって…」
「ふ~ん」
さっきから顔を紅く染めて言葉を選びながら話す翔ちゃんを見てたらなんとなく理由はわかったんだけどね、あまり苛めても可哀想だから突っ込まないであげよ。