第6章 変人たち
しばらく経ったあと、ハンジさんは猛ダッシュで戻ってきた。
『はぁはぁはぁ、あのさ、はぁはぁ一緒にはぁはぁ、お話しない???はぁはぁ、』
息切れするまで走ってこなくても良かったのに…………
『わ、私でよければ。』
『やったぁ!!!あ!!!じゃあミケも連れてくるよ!!!』
また新たな人物が出てきちゃった…………ミケ、さん?
ハンジさんはまたダッシュして恐らく私の部屋の近くの部屋のドアを壊れるくらいの音で叩いている。
静まったかと思ったら、私の部屋へ男性の手を掴み走ってきた。
『紹介するね、こいつはミケ・ザカリアス。私と同じくエルヴィンとは腐れ縁なんだ!』
ミケさんと紹介された方はエルヴィンさんと同じくらいの身長と体格で、ヒゲを生やしている人だった。目が細くてとても男らしかった。
『………あ、えと、アンです、よろしくお願いします。』
エルヴィンさんから名前を聞いていたのか、私の方を見つめると近づいてきた。
おおきい…………と私が呆気に取られていると、ミケさんは屈んだ後_____
『…………(スンスン』
なぜか首筋の匂いを嗅がれている。
えっえっ、どういう状況………?なんか変な匂いでもしていたのだろうか。
耳からはミケさんの呼吸音が間近で入ってきて、時折首筋に生暖かい感触と髭があたる。
『っ……』
思わず変な声をあげてしまいそうだった。ハンジさんはというと特に気にしていないようだった。
私がスンスン攻撃に耐えていると、ミケさんが私から離れる。すると。
『…………(フッ』
と鼻で笑われた。
『ごめんね、ミケはね、初対面の人の匂いを嗅いでは鼻で笑う癖があるんだ、びっくりしただろう?』
そ、そりゃびっくりするよ………