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文スト夢倉庫

第6章 森鴎外/学術的興味



「コイツが、例の化け物ですか?」
「そうだよ♪」
「ふむ…普通の女子にしか見えんがのぅ?」
「本当だよねぇ♪」
「リンタロウ嬉しそうね?」
「まぁね、なかなか珍しい異能力者だから♪」


首領、エリス、中也、紅葉が
捕らえられ両腕を鎖で拘束されている1人の少女を眺めていた。


ー月尾聖子

名はそういうらしい。



「ん………」
「お目覚めかい?」
「ここは………?」


まだ微睡んだ表情で、精一杯辺りを見渡している。


「医者…花魁…幼女…少年…? …夢、か…」
「おい少年ってのは俺の事じゃねぇだろうな」
「まぁまぁ中也、そこは気にするでない」
「確かにこの状況下を判断するのは難しいよねぇ。ここはね、ポートマフィアの独房だよ♪」
「ポートマフィア…」


聞いた事はあるのだろう。
ポカンとしていた表情が、みるみる冷静な表情へ変わる。
動揺した素振りを見せないところが常人とは違っていた。


「マフィアが何のご用件でしょうか。捕らえられる覚えは無いのですが」
「あぁ、ごめんね。別に殺そうって訳じゃない。キミの異能が珍しかったから、マフィアというより医者としてのほんの学術的興味だよ」
「ねぇリンタロウ、この人の異能って何なのー??」
「ふふ、エリスちゃんよく見ててね?」


そういうと、何処からかメスを取り出し彼女に近付いた。
そして何の躊躇もなく脚を切り裂く。


「コレが、彼女の異能力だよ」


ポタポタと大量の血が流れるが
切られた瞬間も、そして今も。
彼女は一切表情を変えなかった。


「痛みを感じない。それが彼女の異能力。 ふむ…。血が出るという事は身体には確実にダメージが残っている。つまり、致命傷を与えれば痛みは無くても死ぬという事かな?」
「さぁ…? 生憎試した事はないもので。」


平然と、淡々と話す彼女。
その冷静さも相まって、化け物と呼ばれてしまうのだろう。


「すげぇな…。戦場で出会ったらマジでビビるわ」
「そうではあるが…これ!かように可愛い女子を刃物で切るとはどういう了見じゃ!!」
「ごめんね、つい、みんなに彼女の異能力を見て貰いたくてね♪」
「もう分かったじゃろ。マフィアに置いとく気ならわっちが…」
「いや…紅葉君。彼女は私が預かる」
「何じゃと…?」
「学術的興味だよ。あぁ、もう少し試したい事が…」




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