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文スト夢倉庫

第5章 中島敦/初キス大作戦



「…で? 何だよ、話って」


黒衣に帽子を被った青年が
白髪の少年に尋ねる。


「来てくれてありがとうございます! あの、実は相談があって…。」





ーーーーーつい昨日の事だ。
太宰んとこの人虎…敦、だったか?
話があるから時間を少し貰えないかと連絡があった。

何かの罠か?とも考えたが、とりあえず会うだけ会ってみるかと来てみればこれだ。
すげぇ真剣な顔してやがる。
一体何の相談だ…??


「話してみろや」
「ありがとうございます!!」


キラッキラした目しやがって。
犬かコイツは。


「実は、ですね…僕には彼女がいるのですが…」
「彼女? へぇ、お前も隅におけねぇじゃねぇか」
「えへへ…。それで、相談というのが…」
「いうのが?」


「ど…どうしたら!手を繋ぐ…の次のステップに進めるのでしょうか!!?」

「……………は?」


何の相談かと思えば…
は?それだけの為に俺を呼び出したってのか!?


「つーか、なんで俺に聞くんだよ!?」
「だ、だって! 太宰さんは…何だか面白がられてロクなアドバイスくれそうにないし、国木田さんには男女不純交遊だ!って怒られそうだし、乱歩さんは興味ないって言いそうだし、谷崎さんはナオミさんの事しか頭にないし、賢治君はお金の概念もない人だし…!!」


あぁ、そういや探偵社の人間もロクな奴いなかったな…


「…お前も大変だな」
「…ありがとうございます」
「まぁ、なんだ…頑張れよ…」
「中也さぁぁぁぁん」
「だぁぁぁ!泣くな男だろーが!!」
「だって…うぅ…」
「あぁもうわかった!!協力する!!してやんよ!!」
「中也さん…!!」


ったく、こんなことになったのも太宰のボケが悪ぃ。
次会った時マジ殺すかんな。


「で、その彼女ってどんな奴なんだよ?」
「そうですね…僕より歳上で…」
「へぇ。」
「何ていうか…もう可愛すぎて無理です」
「おい語彙力どうした」


それから俺は散々コイツのノロケ話を聞かされた。
ほぼ可愛いしか言ってねぇし。
何の拷問だ。


「もー分かった。分かったから。落ち着け。そうだな…じゃあ、こういうのはどうだ??」


俺は1つの作戦を授けてやった。



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