第10章 もう、良いんだよ…

「……」

―ぎゅう―

｢ッ！ …先…生…」

「もう…良いんじゃねーのかァ？ 話してくれても」

「…ぇ…？」

「もう、これ以上はお前に傷付いて欲しくねーんだよ」

「どうして…そんなこと…。私が…貴方の"生徒"だから？」

「……」

「貴方が…私の…"担任"だから？」

「俺は…」

「…もう…私に構わないで！！ どうせ、同情で言ってるんでしょッ！！」

「春野ッ！！」

―ぎゅう―

｢ッ…！？ …放して…！ 放してよ…！！ 同情なんて…いらない…そんなモノ…されたくないッ！！」

「同情なんてしてねーよ！！」

「ウソよ！！ 私の"担任"だから心配してるんでしょ！！ 総悟だって…"幼なじみ"だからって言ってた…中学の頃の教師だって、みんなそう言ってた！！ そんなの同情じゃない！！」

「春野…俺はお前の"担任"だから心配してるんじゃない」

「じゃあ…何よ…。同情して、そう言って、どうせ、貴方だって、私を裏切るに決まってる…！！」

「春野…」

やはり、お前は…

「もう…嫌なんだよ、裏切られるなんて…もう、嫌なの…！！ なのに…なのに、私は…」

「…俺は…お前が好きだから…心配してんだ」

「ぇ？」

「俺は…お前が好きなんだよ、春野」

「ッ！？…何で…今、そんなことを…」

「…言うタイミングが掴めなかったんだから仕方ないだろ」

「でも、だって…あの時、"先生"だからって言ってたじゃない…」

「あの時はああ言うしか無かったんだよ、それに初めて会った奴から突然、告白なんてマズイだろ？」

「そりゃ…ドン引きしますけど…でも今、言わなくて良いのでは…?」？

「お前はイヤだったか？」

「え？」

「俺に告白されるのはイヤだったかァ？」

「そんなことは…ないです…けど…」

そう呟いた春野を優しく抱きしめ、

そして…