第1章 続・愛妻弁当
「ん?」
花束をもらって、抱き締めあって、美味しく夕飯を食べて、なんだか今日はいつになくいい雰囲気。きっとそう感じているのは私だけではないはず。
このところ、なんだかあなたは元気がなかった。理由はなんにせよ、どうにかして、元気づけたくて。お弁当にメモを入れてみたり、お弁当のおかずや夕飯のメニューを好きなものだらけにしてみたり。
そんなことくらいしか、頑張ってるあなたを元気にする方法が思い浮かばなくて。
そんな気持ちが伝わっていたかどうかは分からないけど。今日のあなたからの花束が、間違ってないよなんて言ってくれているようだった。
今日は久しぶりにキスできるかな。なんて。
そんな乙女みたいな自分に苦笑しながら、あなたのスーツをクローゼットにかけているときだった。
「今日の花ことば?」
なにこれ?なんて軽い気持ちで小さなチラシを広げる。
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今日の花ことば
チューリップ(ピンク)
誠実な愛
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偶然にしてはちょっと出来すぎだけれど、あなたがこんな気の効かせかたできるはずもなく。ただ、こんな些細なことで幸せを感じることができるのは、きっとあなただからなんて思った。
「いつもありがとう。」
そっとスーツに呟いて、
今日の花ことばは貰っておくことにした。
おわり