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Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】

第8章 僕はいつだって君の隣にいるから


「今年の24時間のメインパーソナリティの仕事が決まったんだ…」

翔くんが電話口でそう言った。

僕はてっきり5人での仕事だと思ったから、少しだけテンションが上がった。

でも同時に、どうしてリーダーの僕じゃなくて、翔くんが先に?…、なんてことを考えた。

それでも5人での大きな仕事が決まったことに、僕は喜びと、ほんのちょっとの緊張を隠せなかった。

「こりゃ、夏までに寝溜めしとかなきゃだね?」

少しだけおどけてみせる。

だって、翔くんの声…凄く暗かったから…

「忙しくなるなぁ〜。あ、他のメンバーにはこのこと…」

「まだ言ってない。まず最初に智くんに…、って思ったから…」

普段リーダーとしての役目をちゃんと果たせてない僕を、こうして立ててくれるのが、翔くんらしい。

「そっか…。でも早めに伝えといた方が…」

「ゴメン! 違うんだ。智くん、違うの…」

どういうこと…
どうして謝るの…?

電話口で、翔くんが鼻を啜る音が聞こえた。

泣いてる…
翔くんが、泣いてる…

「えっ、分かんないよ…。ちゃんと分かるように説明して? なんで泣いてんの?」

「パーソナリティー…、俺ら5人じゃないんだ…」

翔くんの声が、震えた。

5人での仕事じゃない…

翔くんはそう言った。

でもそれって…

「翔くん一人でメインパーソナリティ務める、ってこと? そんなの大変じゃん!」

翔くん一人で、なんていくらなんでも負担が大きすぎる。

ただでさえ、翔くんは他の大きな番組の司会も任されてんのに…
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