第1章 始まり。
ある日の事。
小さな島の小さな山の山中を、真っ白な獣が駆け回っていた。
その後ろには、其れはまた白い小さな鳥のような生き物が、ピィと鳴きながら必死に其れについていく。
其れは暫く山の中で遊んでいた。
人間にも会ったのだが、彼らは何もしなかった。
むしろ目を輝かせて其れを見、祈るように頭を垂れるのだ。
ひとしきり遊んだ白い其れは、突然ふとその足を止める。
その視線の先には“人間”がいた。
青い彼と、金色の彼と、赤い彼女、そして顔に傷を持った彼。
服装から察するに、此処の民ではないのだろう。
あんなに大きな荷物を持って、一体何処へ行くのだろうか。
興味が湧いた。
白い其れは人間を追いかける。
しかし、とある場所まで着いた時、彼らは急に視界から消えた。
ばれてしまったのか?いや、そんな筈はあるまい。
ならば何故。
その答えは直ぐに見つかった。
数十メートル先に見えたあの遺跡。
あの場所から彼らの気配がする。
眩い光を放つ入口に勢いのままに飛び込んだ。
「やあ、いらっしゃい」
そんな声が聞こえた気がした。