第2章 ごめんね。
そんな日が何日も続いたある日。
土方さんとの見回りで茶店に寄って帰りに露店でかんざしを買ってもらった。
なんでだ?と聞いても
いいから。の一言で終わってしまいいつもの様に一日が終わるかのように見えた。
風呂上がり。
サラシを巻く理由が分からず着流し一枚で月と貰ったかんざしを眺めながらたまにはと隊士に勧められた日本酒を呑んで居た時、声を掛けられた。
『なんでィ、てっきり土方のヤローと一緒に居ると思ったんですけどねィ』
『総悟…!』
『…ちっと話があるんでさァ。』
『…今更なんの話?アタシとは話したくもないんだろ?』
『いいから、聞いて欲しいんでィ。』
どっかりと横に座る総悟。
意図も分からずお猪口の中のお酒を開ける。
『あんた、土方が好きなのかィ?』
『…は?』
唐突に問われた事にキョトンとする。
『好きなんだ、って言ってたじゃねぇか。庭で。』
『庭…?…ぁ!!もしかして喧嘩した日の?』
『謝ろうと思ったんでさァ。言い過ぎたって。でも、土方が貰ってやるって言ってて満更でもない顔してやがったし…好きなんだ、とか呟いてやがるし…』
『見てたのか?!…っ、それはその…土方さんが好きって事じゃなくて…あの』
『じゃあなんで…土方から貰ったかんざしなんて眺めてるんでィ』
『っ!』
全部見られてたなんて思わなかった。
総悟が近くに居たのさえ気付かなかった。
真っ直ぐと射抜くような瞳でアタシを見る総悟にどうしていいか分からなくて視線を落とした。
『好きでさァ。遅いとは自分でも思ってますがねィ。』
『へ?』
総悟の言葉に驚いて顔を上げるとそこには月明かりに照らされながらも頬がほんのり赤いのが伺えた。
『だから、恋華。あんたが好きだって言ってんでィ』
『嘘…でしょ?だって嫁の貰い手ねーよって…』
『だっ…、だから俺が貰ってやるって言ってるんでさァ!そういう意味で言おうとしたのにあんなにキレて嫌いだとか言うから…』
『そんなん普通怒るだろーが!…自分で女の子らしくないのなんて分かってんだから。総悟には釣り合わないって思ってるし…』
想定外の言葉と見たことのない表情にお互い自然と言い合いから笑いに変わってしまった。
取り敢えずと立ち上がり部屋へと総悟を促せば冷め切った日本酒を呑みながら二人で寄り添った。