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花は咲きます、またいつか。(NARUTO)

第1章 姫、木ノ葉におはす。


忍者としての実技能力や知識を備えていない花は、実技の授業の際には見学をすることにしていた。

お姫様に怪我をさせてはいけない、という里の忍たちの思惑でもあったのだが……。

反面、お姫様は興味がある事柄に対しては研究熱心なため、クラスメイトの動きや先生が注意をしたところなど、徹底的に追究していた。

そのため、才能があるとまではいかないが、忍が如何なるものかを僅かも知らなかったことが嘘であるかのような成績を出してみせたのである。

最初こそは胃の痛い思いをしていたイルカも、彼女の熱心さや努力に感心し、今ではひとりの生徒として平等に指導をしていた。

そんなある日の昼だった。

初めて自分で作ってみたお弁当を携えて、サクラと共に昼餉をとろうと歩いていたところ、3人の男の子が何かを囲んでいるのが見えた。

好奇心も旺盛である花はどうしてもそれが気になってしまい、先に行って欲しいとサクラに伝えて男の子たちに近付いた。

ある程度の距離を詰めたところで、思わず花の足が止まる。

「俺ってば、何もしてないのに……」

その声は小さかったけれど、確かにお姫様の耳に届いた。

男の子たちが囲んでいたのは、金色の髪をした小さめの男の子だった。

人との関わりをあまり持ってこなかった姫でさえも、その雰囲気が穏やかではないのは手に取るように理解出来た。

「そなたら、何をしておるんじゃ?」

穏やかではないが、実質囲んで何をしているのかは分からなかったので、尋ねる。

「別に!おまえ、とっととここ離れた方がいいぞ。こいつに関わったら呪われるんだからなー!」

そう言い残し、男の子たちは走り去って行く。

取り残された少年とお姫様は、しばし沈黙していたが、遂に花の方から口を開いた。

「何が何だか分からぬが、ああいう中身が……なんだったかの、ブサイクな男はおなごに嫌われるのじゃ」

唐突すぎる言葉にぽかんとしていた少年だったがそれが励ましであると気付き、多少訝しむ気持ちはあれど、微笑んだ。

「ぐっと我慢していたものが爆発したときは、ものすごーい力になるのじゃ。わらわのように爆発すると良いぞ!ほっほっほ」

相変わらず特徴的な笑い声をあげながら去って行くお姫様のお陰で、少年は心が少し軽くなったような、そんな気がしていた。
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