第1章 姫、木ノ葉におはす。
「……本当なんですね」
何かに諦めたような……納得したような表情で、臣下はイルカの話を聞いていた。
アカデミーが終わった後はいつも、火影やカカシ、イルカや臣下が集まり、姫の動向や友人関係などについて問題がないかを報告し合っている。
今日も例外なくそれは行われたので、イルカは先ほどの奇妙な出来事を伝えたのだった。
あれだけ見れば、先代火影の木遁や、土遁や水遁となんら変わりがないように思えるが……。
臣下にとっては、とても深刻なことのようだ。
「あれが、どうかしましたか?」
出来るだけ荒波を立てないよう慎重に伺うと、彼は観念したように話し始めた。
「それをお話するためには……この里に、なぜ花様が参られたのか……。きちんと、最初からお話しなければなりません……」
彼は極めて神妙な面持ちで、極秘にしていだだけるように、と念を押してから口を開いた。