第18章 甘夏の謌【幸村】
「ごめん…ね?幸村…っ。」
空気が薄くなったような感覚に息遣いを乱した美蘭が、素直に詫びた。
「はぁ…っ…ヤダね!!!」
同じく息を乱した幸村の反応に、
「ええ??!」
美蘭は、絶望的な声を上げた。
美蘭も同じ思いだったと聞いて自信を取り戻した幸村は、
そんな声には御構い無しに、続けた。
「昨日の分まで…無茶苦茶におまえを抱かねェとおさまらねェ。俺も、コイツも。」
そう言いながら美蘭の手を掴んで引っ張ると、自分の股間をさわらせた。
「きゃっ!!何…っ…」
「すげェだろ?」
猛る男根は、自分を求めてくれている象徴。
嬉しくて堪らない美蘭は、身体の中心が、ジン…と潤いながらも、恥ずかしくて真っ赤になりながら、喧嘩腰で答えた。
「も…っ…!そんな言い方しかできないのっ?!久しぶり…なのにっ…!」
「はあ…ったく。…仕方ねーなー!」
美蘭の言葉に、
自分でも、さすがに情緒が欠けていたと思った幸村は、
「…?!」
美蘭の両頬を手のひらで包み込むと、
鼻を鼻に擦り付けながら、
おでこにおでこをコツン…と寄り添うようにつけると、
美蘭を見つめながら、溜め息混じりに言った。
「すげー会いたかった。」
「…っ!」
それがまるで、呪いを解く魔法の言葉のように、
美蘭の身体の緊張を解いた。
みるみる愛らしい瞳に涙が浮かび、
今にもまぶたの端から流れ落ちそうな涙の泉を潤ませながら、
美蘭は、震える声で言った。
「わたしだって…すごく会いたかった…。すごくすごく…心配したんだから…っ!」
その余りの可愛らしさに
その余りの愛しさに
幸村の衝動は限界点を超えた。
「この…ったく!可愛いこと…言ってんじゃねー!」
「ゆきむ…んう…っ。チュ…っ」
2人は、
無我夢中でお互いの帯を、着物を、緩め、脱がせながら
甘く深い口付けを交わした。
お互いが生まれたままの姿になった頃には、
息も絶え絶えで
身体中がお互いを求めて、
熱い熱がジンジンと2人を支配していた。