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【イケメン戦国】恋花謳〜コイハナウタ〜

第13章 恋知りの謌【謙信】湯治編の番外編 〜佐助の苦悩〜


翌朝、

美蘭の顔は晴れやかであった。


「わあ!すっかり良くなりましたね!」

「…だからたいしたことはないと申したろう。」

謙信の漆かぶれが、ほぼ治っていたのだ。



「お薬が良かったんじゃないですか?」

「もともと漆などに負ける俺ではない。」

また、美蘭が無邪気に謙信の嫉妬心を煽ることを言ってしまい、謙信が不機嫌になっている。




(…やれやれ。)

いつものように、

今日も佐助は二人を見守っていた。





結局最後には、

「謙信様が強いことは知ってます。でも…心配くらいさせてください…ね?」

潤んだ瞳で見つめられただけで

謙信の顔は赤面し、緩んだ。



「…っ!愛らしいことばかり言っていると…ただではおかぬぞ。」

そう言いながら、美蘭の額に口付けをする謙信。

美蘭の可愛らしさに、骨抜きなのだ。




(……今日も朝から尻がむず痒いな。)




佐助は、

昨夜のあれは、

もはや、

どこまでが現実でどこからが夢であったのかも定かではないが




こんなやりとりを年中見せられていれば、

たまには昨夜のような夢も見てしまうだろう、と思った。



(二人とも、この湯治場に来てからのラブラブ度数が急上昇しているからな。)



時は戦国。



いつ戦が始まるのか、

いつ命を狙われるのか

常に緊張と隣り合わせのこの世において




大切な二人が幸せにしている姿を見れることは

佐助にとっての幸せでもあった。




時折、ツキン…と痛む胸。



その痛みについては、

あまり考えないようにしよう…と、

決めた佐助であった。



恋知りの謌【謙信】
番外編の番外編
〜 佐助の苦悩 〜




→また番外編に戻ります♡
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