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【イケメン戦国】恋花謳〜コイハナウタ〜

第7章 囚われの謌【光秀】黒ルート


美蘭は、達したと同時に気を失った。


(……助かった。)

光秀は、深くため息をついた。


愛する女とこんな戯れをすれば、男の身体が普通でいられる訳はない。光秀自身ははち切れそうになっていた。

だが、流石に、気を失っている女に手など出せない。


美蘭が意識を手放していなければ、手加減出来ず、身も心も、抱き壊してしまったかも知れない。




気を失っている美蘭の着物を丁寧に整えてやると、

光秀は、

美蘭をぎゅっと腕の中に抱き締めた。



(こんなことが出来るのは…これが最後だろうな。)



今しがた、

欲に塗れたあんなに激しい行為をしていたというのに、


それよりも、

今こうして、ただ抱き締めている方が胸が騒ぐことに苦笑した。



(何故この女がこんなに恋しいのか…)


女など星の数ほどいるというのに



初めて、

どうしてもこの女がいいと思った。




だが…





暫くの後、

信長率いる安土の武将たちにより小屋は発見され、

美蘭と光秀は助け出された。



美蘭は、

当然の如く信長に抱き上げられ、信長の馬で帰って行った。



(…隣に寄り添うのは俺じゃない。)

寄り添う2人の姿に、光秀の胸はズキリと痛んだ。





しかし光秀は思った。



根無し草なんぞに抱き抱えられても、女は幸せになれまい。



だから

これでいいんだ…と。





だが、

あの欲を含んだ戯れの記憶は、

生涯美蘭の記憶に残るだろう。




後悔だろうと何だろうが…


馬鹿がつくほど純粋で素直でまっすぐな心根の女の、誰にも口外できない、忘れたいが忘れられない記憶としてだろうが


美蘭の心が、


自分に囚われ続けるだろうことに、


光秀はほくそ笑んだ。




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