涙ノ意味 ー The Prince Of Tennis ー
第3章 過
屋上。
私は毎日ここに来る。
ここに来れば“ あの人 ”にまた逢える気がするから。
ずっと好きだった人。
もう、逢えない人。
いつも私に笑顔で声を掛けてくれた人。
ゆっくりと、温かい雰囲気で私を包み込んでくれた人。
ーーガチャッ
扉が開き、音が聞こえた方を見ると、
「 よぉ。 」
仁王くんが立っていた。
『 また来たの? 』
「 悪いか? 」
『 悪くないけど。 』
ほんとは嬉しい…なんてね。
「 お前の名前を聞くまで通い続けるっつってな。 」
『 そんなに知りたいの? 』
「 あぁ。 」
『 明日美 光 だよ。』
「 ええ名前じゃな。 」
『 ふふ、ありがとう。 』
「 みつ はずっとここにおるんか? 」
『 …そうだよ。 』
「 なんで…、ここにおるんじゃ? 」
『 聞きたい? 』
「 教えてくれるんなら。 」
『 私の事嫌いになるかもよ? 』
「 それはないのぉ。 」
『 ほんとに? 』
「 ほんと。 」
『 じゃあ…、特別に、教えてあげるね。 』