• テキストサイズ

~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




母親。
ウザいか?

『友達とかは、たしかによく、
そう言ってる気がするけど…
俺、正直言って、そんなに母さんと
接する時間、ないからなぁ。』

俺の帰りが夕方より遅くなると
母さんは店に出勤してることが多い。

『朝、俺が起きてから
学校にいくまでに会うくらいだから、
ウザがる暇もない、っていうか。』

『それでも、毎日、会ってるじゃない。
だって、うちなんか、』

唇を尖らせて、
子どもみたいに文句を言う綾ちゃん。

『寮に入ってるから、
もう、夏休みから会ってないのよ!
冬休みに会うの、楽しみにしてたのに、』

『…会えないんだ?』

『今日、連絡があった。
会う暇、ないんだって。
年末は友達の家に泊まりに行くし、
年明けは帰省して
中学の頃の友達と会う約束があるから
夫のいる家に帰る方が都合がいいし、
3日に寮に戻って、4日から課外だって。
ねぇいっちゃん、
同じ高校生としてどう思う?!』

『どう、って…
んー、よくあるパターンじゃないの?』

俺も去年までは、
ぎりぎりまで部活があったし、
年末年始は及川とかと集まって
忘年会したり初詣行ったりしてたし、
3日からは、部活、始まってたし。

『…そうなのね、やっぱり。
私が、離婚して地元に戻ったから
しょうがないってこと…』

さっきはプリプリ怒ってた声が、
急にガックリと元気がなくなる。

…ホロホロとこぼれてくる弱さ。
まだ少し、酒が残ってるからかな?

ここに来たことを、
てっきり怒られるとばかり思ってたから、
一緒に飯、作って食って、
今、こうやって台所に並んで
綾ちゃんの愚痴を聞いていられるのが
なんだか、嬉しかった。

『あのさ、
答えたくなかったら
答えなくていいんだけど、』

『なぁに?』

『親権、旦那さん?』

『…うん。』

『綾ちゃんじゃないの?』

『…とれなかった。専業主婦だったから。』

『なんで?』

『この先の学費とか考えたらねぇ。
そもそも寮にいるから、日頃の暮らしも
母親いなくたって成り立つし。
…私は1日も早く別れたかったけど、
息子は夫のことも、
別に嫌いじゃないわけだし。
夫と、毎日、
二人で暮らすのを我慢するより
夫と別れて自分で働いてでも
半年に1度、息子と二人で会える方を
選んだつもりだったのになぁ。』

/ 733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp