第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)
『ちょ、待って。』
とろけそうな体を
渾身の力と残り少ない理性で起こす。
『…どうしたの?』
『俺、絶対、我慢できねぇもん…』
『なにが?』
『たしかここに…』
脱ぎ捨てたズボンをたぐりよせ、
ポケットの財布を取り出した。
『あん時、1個しか使ってねぇから…』
札入れのところに忍ばせた
四角い小さな白い袋…
『あった。』
彼女の家でハジメテだった時、
及川が"お守りがわりに"とこっそりくれた
コンドーム。
あんとき、1個しか使わなくて、
そのまま財布に入れてたヤツ。
『あら!常備してるなんて…えらい。』
誉められた(笑)
『そんなにしょっちゅう、彼女と?』
『違う!そっちは全然!
これ、及川がくれたのを使ってなくて。』
『キャプテンからの支給?
仲間が間違いを起こさないように?』
『だろうな。』
『さすが及川くん、気が利く(笑)』
『まぁ、細かく言うと
残念なところもあるヤツだけどね。』
だけど、今はマジで及川に感謝。
これがあれば、ナカで果てられる。
しかも、2つあるから、2回も。
もう、スグにでも、挿れたい。
ピ、と袋を破り、
装着しようとしたら、
その手を綾ちゃんが押さえた。
『いっちゃん、ここ、座って。』
『?』
言われた通り、
壁に背中を預けて畳に座る。
綾ちゃんは、
そっと俺の手のゴムを取り、
そして、
俺の股間にソレをあてがって、
ゆっくりとした手つきで
クルクルと装着し始めた。
『そんなん、いいよ、自分でやる…』
『いや。私にさせて。
私が、そうしたいから。ね?』
されるがままで、見守る俺。
いつもなら、何も考えないうちに
自分で手早くしてしまう行為を、
今、目の前で、
女性が、してくれてる。
大切そうに、丁寧に、いとおしそうに。
…つけ終わったら、
押し倒して、いいかな?
ソッコー、挿れても、いいのかな?
その先に待っている快感を想像しながら
じれったいほどの時間をかけて、
勃ちあがったペニスが、
薄いピンクの膜を被った。
…目が、あう。
きっと俺の目、ギラギラしてる。
でも綾ちゃんの目だって、
相当、欲しがりな光。
『綾ちゃ…』
押し倒そうとしたのに、
体が動かないのは、
綾ちゃんが股がってきたから。