第6章 お世話戦争~秀吉~
小梅は、不機嫌であった。
小梅が安土城に偵察している時のお話であった。
今から思い出すのも歯がゆい。
「小梅?安土城で何があったんだ?」
と、空気の読めない幸村が小梅に聞く。
「べつに。」
と言って小梅はぷいっと幸村から目をそらす。
(別に、何もなかったって言うわけではない。私が、これほど機嫌が悪いのは『豊臣秀吉』のせいだ。)
それは、ほんの三週間前の話。
小梅は、謙信の命により安土城に侵入をして偵察に来ていた。
「小梅と、申します。よろしくお願いします。」
小梅は、安土城に住む女中たちに挨拶をする。