第4章 戦国時代と一夜物語〜政宗〜
「おはよう、化け物。」
と出て来たのは口元を布で隠す三人の男。彼らの手に持っておいたのは太い棒。
「………っ。」
露鬼は、凍りついた。
きっと彼らは、それで私を殴り殺そうとしているのだろう。
だが、そんなのはすぐ止まってしまう。
(私は、ここで殺されたほうがいいかもしれない。きっと。)
そう思ったのだ。誰にも愛されずに捨てられて親は殺されて……露鬼の人生というのは、とても小さく汚れた道だと思った。
彼らは、片手で棒を持ち上げる。
(・・・・・さよなら。私の人生。)
露鬼に思い浮かんだのは、いじめられた過去
ではなく、日和や政宗や信長……いろんな武将の顔であった。
露鬼の心は揺らいだ。やっぱり、殺されたくないと。
「誰か助けて!!」
露鬼がそう叫んだ時であった。
「露鬼!!」
露鬼の目に映ったのは、政宗の姿であった。
政宗は、三人の男を切り倒す。
そして、私に手を伸ばし
「露鬼、俺と一緒にいてくれないか?」
露鬼は、その言葉に涙が溢れた。