第3章 人形卍ばーすと〜謙信〜
『えいっ!!』
『遅い。』
バシッ
『痛ああ!!謙信様!!もう少し弱く叩いてください!!!』
『お前が、弱いのが悪い。』
『ムー。謙信様、もう一本してください!!次はいける気がしますので!!』
『良いだろう。』
謙信は、目を覚ました。
(夢か……)
謙信は、懐かしい昔の夢を見ていた。
昔、まだ信玄らがこの城にいない昔。
謙信には、剣の弟子のこのやと言う子供がいた。
親は、戦に巻き込まれ死んでしまった。そして、その現場を見つけた謙信は、その子供を連れて帰ることにした。
始めの頃はうるさいガキだと思ったが、だんだんと慣れていくに連れて師弟関係となっていた。
が、しかし。
このやは、ある事件に巻き込まれてしまった。
行くへが知れずであった。
「なぜ、こんな夢を見るんだ……」
謙信は、怪訝そうな顔になって部屋から出る。
「謙信様?」
と声が聞こえた。