第12章 すれ違い〜政宗〜
「もう、帰ろう。」
私は、やっと笑えた。
心から。
政宗様の目が覚めて
「純恋……。」
そう言って、私を横抱きにして馬に乗せた。
そして、すぐに馬を走らせた。
謙信様、信玄様、義元様、幸村、佐助さん……
ありがとう。
私は、そう心の中で言い目を閉じてまた開け政宗様を見た。
「政宗様。ごめんなさい。」
「純恋……そろそろ、その『政宗様』じゃなくて『政宗』と呼べ。」
「しかし……」
「そうしないと……」
政宗様は私の唇を奪った。
「ん……」
「今まですれ違っていたからな。今から取り戻せるか?」
私はぎゅっと抱いて
「うん。できるよ、政宗。」
と笑った。
「よかった。」
そう言って、
政宗は馬を早まらせた。