第10章 汚染にかかった私〜光秀〜
私が、安土城に働き出したのは、ちょうど日和姫様が入って間も無くの頃であった。
「コレあとよろしくね。」
仲間の女中が先に行って、私だけに多くの荷物を持たせる。
「………」
私は、静かにそれらを運んで行く。
「露鬼。あなた大丈夫?」
私のことを心配してくれるのは、日和姫様とこのやだけであった。
「うん。ちょっとね。」
私は嘘の微笑みを向ける。
「辛かったらいいなよ。ね?」
このやは、男装武将として武功を挙げていった。
私は、生まれつき体が弱いためそんなことはできない。