第2章 Linaria~幻想~
「いい度胸してるじゃねーか、ビッチ…」
運転は俺で後部座席に総悟とを乗せたパトカーは病院から屯所へと向かっていた。
二人の様子を伺いながら運転していると総悟は#苗字#に向かってあのあくどい笑みをもたらしているのが見えた。
勿論暴言は続いている。
「ツルペタはマニア向きでィ」
その暴言は次第にエスカレートして行く。
流石に不味いと思い、を見ると微動だせずに、俯いたままだった。
チッ…。
「おい、総悟…お前何でも言い過ぎじゃ…」
「止めないでくだせぇ。調教してやってるんでィ」
総悟がそう言った、その瞬間だ。
「人並みには、あるでしょ?」
ね、沖田総悟くん。
そん時のは天使のような微笑みだったけど、総悟以上に悪魔のオーラを醸し出していた。
その後の総悟は尻尾を巻いた猫みたいに大人しくなっちまった。
パトカーから降りたは総悟に向かってこう言った。
「よろしくお願いしますね、総悟くんっ!」
お、この笑顔は可愛いと思ったのは内緒。
そして、と総悟の上下関係も出来上がった事は確かだった。
「え、Sは…」
そう呟きながらノロノロと車から降りた総悟を見るとこの短時間で物凄く窶れた顔をしていた。
「オイ、大丈夫…か?」
俺がそう声をかけるも、奴の耳にはこれっぽっちも届かず、ただ総悟は「Sは打たれ弱いんでィ…」と繰り返しながら屯所の中へと入って行った。
「アイツ、大丈夫か…?」
そう呟いた俺の元に小走りで#苗字#がやって来て大丈夫と言う。
「あははっ本当は凄く恥ずかしかったけど、大成功でした!」
そう言ったは顔を真っ赤にしながら俺にブイサインを出した。
「ったく、女は怖ぇーな」
ん?何があったか解らねえって?
俺からは言えねぇな。