第1章 at THE STATION
「大丈夫ですか?」
誰かが駆け寄ってくる音がしました。
おそらく、男性です。
私は声が上手く出せず、返事が出来ませんでした。
その人はそんな私の背中をさすってくれて、
誰かに駅員さんを呼んでくるように頼みました。
少しすると、駅員さんはやってきました。
私は駅員さんに連れられ、駅の事務室で休ませていただけることになりました。
その親切な方にお礼を言いたかったけれど、
声が上手く出ませんでした。
とりあえず、顔を覚えておこう…
そう思い、その人の方を見ました。
その人は、同じ学校の男子生徒でした。