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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第6章  そういうの柄じゃないので(花巻貴大)



 どうしようもなくイライラしていた。
 誰にぶつければいいのか分からない怒りが、延々腹のなかで煮えくりかえってる感じ。

 ここんとこ、毎日こうだ。

 教室で椿に聞かされる及川のこと。それが惚気であっても相談であっても、何もかもが苛立ちの種。

 でも俺は椿の友達だし、いや、そう思ってるのはあいつだけだけど。

 加えて俺は及川の友達でもあるワケだから、あいつらの板挟みになるのは至極当然のことなのである。

 まったく、解せない。


「花巻、お前どうする」

「あ? ワリィ聞いてなかった、何」

「ラーメン。いつもんとこ」

「あー、ごめん、俺今日もパスで」


 岩泉からの誘いを断るのもいい加減忍びない。けど、馬鹿話しながらラーメンって気にもどうしてもなれない。

 肩を落として、嘆息。
 パタンと力無くロッカーを閉める。

 全部見透かしたような顔でこっちを見る松川に(聞くな頼む)って目配せして、俺は下校の途に就くのだった。

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