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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第6章  そういうの柄じゃないので(花巻貴大)



 こんな世界消えちまえと願うことがある。所謂ひとつの破滅願望ってやつだ。

 とはいえ、俺が願うのは人間の歴史そのものの存在意義を問うような「終末論」的なそれではなくて。

 要は、あれだ。
 リア充爆ぜろってのとよく似てる。


「クソ川ー、彼女が呼んでんぞー」

「んもう岩ちゃんてば! いい加減そのクソ川ってのやめてくれる!?」

「いいからとっとと行けよウンコ川」

「あのね松っつん、ちょっと可愛く言い換えたところで意味はおんなじだからね!?」


 ようやく部活を終えた午後八時。
 疲れた身体に鞭打って着替えるロッカールームに、同級生たちの野次が舞っていた。

 野次の矛先は、こいつ。

 及川徹だ。
 チームメイトで、主将で、友達で、ついでに俺の片想いの相手と最近恋人同士になりやがった及川徹。

 散々野次られて弄られて、及川がフグみてえに頰を膨らませたところで、なぜか俺のスマホにメッセージの通知。



 ▼瀧田 椿
   外超寒い! 凍っちゃう!
   徹に早くしろって伝えてー!



 消し飛んでしまえ、と思う。

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