第1章 媚薬に溺れて *アラン
~Aftet story 2~
[レオside]
翌日
(あ……)
廊下を歩いていると
前から妙に清々しい顔でアランが歩いてきているのが見えた
「アラン」
呼びかけると
「なんだよ…」
と言って、明らかに嫌そうな顔をされる
(ちょっとからかっちゃお)
「アラン、今日妙に肌ツヤよくない?
まっ…あれだけ出せばツヤもよくなるよねー」
「はっ?!」
アランが目を見開いてレオを見る
「アレ、食べちゃったんでしょ?
仕方ないよ
でも…
アレの効果とはいえ、アランって絶倫なんだね
お兄ちゃん憧れちゃう
それじゃ」
その場を去ろうとするとアランに引き止められる
「おまえ…なんか知ってんの…?」
「まぁね」
アランが凄みをきかせた目つきで睨んでくる
「そんな睨まないでよ
……媚薬だよ
ユキちゃんがユーリと作ってたチョコ…
あれ、おそらく媚薬入り」
「なんでわかんの?」
「俺、偶然ユーリがメイドさんと話しているの聞いちゃって
想いが伝わる…って言ってたけど、
怪しいと思って調べたらあれ、今、城下で流行ってる
強力な媚薬だったんだよ
精力増強剤もかなり含まれてるみたいだから
相当……だったんじゃない?」
ニヤニヤしながらアランを見ていると
どうやら図星だったようで
何も告げずに横を通り過ぎて行った
その後ろ姿に声をかける
「まって、アラン
昨日資料忘れていったよ」
そばに行って耳元で囁く
「アランの喘ぎ声丸聞こえだったよ?」
「なっ……」
アランが顔を微かに染める
「ごめんね
資料、届けに行ったら偶然聞こえちゃって
じゃ、仕事がんばってね」
そう言い、呆然と立っているアランを残して
執務室に向かった