第1章 媚薬に溺れて *アラン
[アランside]
(明日…
そうか、明日はバレンタインか…)
「明日は…ってか明日も仕事だな」
(たしか、明日は…
夕方までびっしり護衛の任務があって
護衛の後は、ジル達と会議があるんだっけ)
手をユキの頭に乗せたまま、考える
本来なら、仕事が終わってすぐに寝たいくらいの激務である。
けれど…
「明日は夜は空いてる」
口が勝手に答えていた。
(これ以上、こいつに寂しい思いはさせたくない
それに俺も、
そろそろユキとの時間が無いと
限界……)
その言葉にぱっと顔を輝かせて
渡したいものがある、
というユキに
「じゃあ、夜、俺の部屋来て」
と言う
うん! と笑顔で答えるユキに
楽しみにしてる、
とだけ伝えて、次の仕事に向かいながら思う。
(明日の夜は、ずっとそばにいる)