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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ


此処は先程お二人の為に用意した部屋に、三つお膳が揃っている。

いっぱんぴーぽーな私が戦国大名、それもこの二人と一緒に食事だなんて折角の懐石でも、ただのきんぎょの餌と化してしまう。


しかし、本当に食べないよ、この人。


別に食べようが食べまいがどうでも良いのだけれど、今は本当に大谷様を何とかして欲しい。大谷様は自分が嫌いな物をポイポイと私に寄越し、自分が好きな物はどれ、ワレが毒見をしてやろなんて言い、煮魚や何やら取られてしまう。


ホント、どうにかしろ下さい!



明朝、昨日が何事も無かったように彼らは己らの城へと帰途に就く。

「道中、お気を付けて下さいませ」

とやはり無難な言葉を選ぶ。若干棒読みなのは仕方の無い事。

それに対しても大谷様は笑い続けた。

コノヤロ。


辺りを見渡した私はある物が無いのに気付いた。

大谷様は見た通り要らないと思うが、石田様はどうするのだろうか。



「私は馬よりも速く走れる」

必要ない、と石田様が答えた。


って、まだ私何も言っていないし!



「ヒッヒッヒッ…三成が答えよった」



石田様が答えた事が余程面白かった大谷様は終始笑っていた。
あの引き笑い、疲れないのかな…。


「…して、傾国の花よ」

私は大谷様の不思議な瞳を覗く。



知りたければ、ワレらと共に…





これは、




罠…?

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