第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ
お二人が戻られ、お食事の用意が整った事を伝えるとやはり石田様と大谷様はお部屋で頂くと仰った。
私は直ぐにかしこまりてとお声を掛け失礼しようとすると大谷様が引き止めた。
話を聞いてみると、膳を三つ用意しろとの事。
私は首を傾げながらもハイと答え厨に急ぐ。
他の女中さんにも手伝ってもらい、三つ膳を部屋へと用意した私は挨拶をして下がらせて貰おうとした時だ。
「貴様も此処食べて行け」
は?えっ!?
この声って、まさかのまさか…
い…石田様がしゃべったー!!!
今の今まで空気プラス置物化としていたあの石田様が喋った。
しかも、今、とんでもない事を言っていたような…。
私も、食べていけ…。
此処で食べて行け…。
一緒に…。
「ブハッ!」
ヤバイ!
噴いちゃった!
慌てて口元を押さえるのだけど、やはり無駄な事。
私が噴いた事が大谷にとってどうやらツボったらしく、後ろで大谷様がヒーッヒッヒッ!ゴファっ!!と笑い転げていた。
ゴファってなんだよ、マダオめ…。
あぁ、斬滅よ、ザンメツ…
と転がっているフェアリーの真似をして気持ちを落ち着かせる事にしたんだ。