第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ
夢の中で夢を見る。
未だに夢の中と思い込む私は、更にその中で夢を見ると言う高度な技術を会得した。
「此処は…」
辺りを見渡すと良く知る風景。
良くと言っても微かに覚えている、記憶に残っている、そんな感じだ。
早い話が幼い頃遊んだ事のある公園に私は立っていた。
今見てみると少しだけ古めかしい遊具の作り。
あぁ、懐かしいと思いながら公園の中を歩く。
「あぁ、確かこっちの方に…」
そう言えば、この先に私が好きだった花が敷き詰められた場所があったなと朧気な記憶を手繰り寄せ、その場所へと足を速めた。
最初は何事かと思っていたのだけれど、結局楽しんでる自分がいた。
それもきっと、この懐かしさのせいに違いない。
「あぁ、此処だ」
暫く歩いていると狭かった道が一気に開け、私の視界は緑色に染まった。
思い出した…
私は幼い頃ここに初めて連れて来られた時、この緑色と所々に散りばめられた白い花に感動した事を思い出した。
「良く、花冠とか作ったんだよね。」
私は一瞬にしてこの花に心を奪われ、何度も、何度も此処へ足を運んでは一人で花冠を夢中で作っていた。
べ、別に友達が居なかったとかそう言うんじゃないからね…!
少しだけ皆と雰囲気が違っていて、上手く馴染めなかったと言うか、何と言うか……。
わ、私の事は後にして、此処で遊んでいた幼い私はこの白い花で遊んでいた。
淡い水色のワンピースを来て無邪気に走り回ったりしてたの。
そう、あの子みたいに。