第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ
砂の上で抱き締めあっていた私達は、彼の家臣が迎えに来るまでずっとそのままの状態でした。
その時の家臣さんの顔は今でも思い出せる。
もう、ほんとにうマジか!?これで毛利家は安泰ですぞっ!って顔だった。
夢小説を巡っていると家臣の人が早く嫁をと言っている事が多い…って、
アレ?
ちょっと待てよ?
何か?
このままの流れで行くと
私が元就様の…嫁?
えぇー…。 ←
いや、今のは忘れよう。
結局は元就様も離す気配はなく、私も退けば良いのにそうはしなかった。
だって、
気持ち良かったから…。
画面上では冷たい感じの人だったのだけれど、私を包む腕はとても温かくて…。
ゲームの中かアニメか解らないけど、二次元の世界にトリップした私は実際に彼が目の前に存在していると言う事を確かめる様に、元就様の温もりを感じていたんだ。
だけど、感じれば感じる程に私は別世界に居ると言う事実を突きつけられている様で、早くもホームシックになりつつある。
二次元トリップしちゃった!なんてラッキーなの!
夢小説のヒロインみたいに明るく行けない私は現実主義者。
本当に夢であります様にと今も思っている。
早く起きろよ、私…!