• テキストサイズ

【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~


【forty-second.】










「いい加減にしろっ!」

俺の怒鳴り声と障子が蹴り破かれるのは同時だった。

そして名前様に覆い被さる三成様を無理やり剥がし、思い切り主を殴り飛ばす。

俺に殴られた三成様は大きな音を立て新たに障子を突き破り、そのまま廊下に投げ出された。

俺はそのまま動かない名前様に布団を掛け、三成様に向き直りこう言った。

「アンタ、一体何考えてるんだ!」

俺はこの時、自分がどうなろうと構わず三成様を殴った。

ただ、ただ、三成様が許せなかったんだ。

辺りが騒がしくなる。
それもその筈。辺りは皆寝静まった頃にこの様な大きな音がした訳で、しかも姫様の部屋で事が起きた物だから余計に集まって来る。
俺と三成様は互いに掛ける言葉もなく、三成様は口元から流れる血を手の甲で拭いフラフラと立ち上がり、何処かへ消え去ってしまった。

「名前…」


こんな時、半兵衛様ならどうするのだろう。

優しく抱きしめる?

それとも優しい言葉を囁く?

今更そんな事、俺に出来るのだろうか。

俺は、許されるのだろうか…。





刻は少しだけ遡る。
/ 277ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp