第2章 With Edgar(エドガー)✳︎R18
目隠しが外されて、視界に入ってきたのは、一面の赤ーーー。
「手荒な真似して、すいません。どこか痛みませんか?」
温和な声に振り向くと、全く悪びれた様子のない男が、笑顔でを見下ろしていた。
「....いいえ。」
「そうですか。」
が首を振ると、男は笑みを崩さないまま、穏やかに答えた。男には見覚えがあった。
「あなたは確か…」
「赤のジャック、エドガー・ブライトです。」
そう、確かそんな名前だった。
エドガーは、「覚えててくれました?」と、さして気にする様子でもなく、楽しそうに尋ねるが、は素直に首を横に振った。
「ここは…?」
天井から、ふかふかの床、ベッドまで、赤が基調に揃えてあるその空間を、は見回して尋ねた。
「赤の兵舎…の中の、俺の自室です。」