第1章 With Janah (ヨナ) Act 1 ✳︎R18
「......ねえヨナ?」
互いに果てた後、呼吸を一旦整えては、がヨナに呼びかける。
「何?」
の呼びかけに、ヨナが振り返る。
「シリウスさんとのことだけど....」
「....何さ、まだ何かあるって言うの?」
その名前が出た途端、ヨナはあからさまに不機嫌を露わにしたので、はその緊張をほぐすように、ヨナの頬に優しく触れた。
「ヨナ、最後まで聞いて。」
「浮気した言い訳なんて聞きたくない!俺は、本当はすごく傷ついて、腹も立って、侮辱された気分でいるんだから、これ以上ほじくり返したりしないでよ‼︎ 」
「だから、浮気とかじゃないの!ずっと誤解を解こうとしてたんだけど、ヨナが話を聞いてくれなかったから....」
強い許否を示したヨナは、宥めようとするの手すら、嫌がって顔を背けた。しかし、は両手でヨナの顔を挟んで、グッと自分の方に向かせた。
「何す...」
「ヨナ、あれは、浮気なんかじゃないの。」
「いい加減にしなよ。...あれをどう見たら、そんなこと言えるのさ?」
「ヨナは、誤解してるよ。」
「言い訳だね。」
「言い訳じゃなくて、真実を話すの。あの時の、本当の状況。」
時は遡る。それは、ヨナと恋人になった後も、黒の兵舎で暮らすことを決めたを、ヨナが訳あって急に尋ねた時のことだった。
前回のように、案内役のセスを無視して、ヨナがの部屋を一目散に訪ねると、そこには黒のクイーンであるシリウスに、ベッドの上に押し倒されているの姿があった。
当然のごとくヨナは激昂したが、駆けつけた他の黒のメンバーと、シリウスが駆け引き上手なところも相まって、その場は何とか収まった。が、ヨナの怒りはまだ収束をみてはいなかった。