• テキストサイズ

毒舌な保健医。

第3章 罪悪感


夜を終えて朝が来て
兄と挨拶から始まる
いつもの朝。


けど、胸のどこかで
トキドキとした緊張感。


(先生…今頃何してるかな…)


考えることはそればかり。


早く学校に行きたいような
高揚感高まりすぎて時間が
経つのが怖くなる。



『莉瑠?』


『っ!……あ、何…?』


『なーに考えてんの。』


コーヒーのカップを持ちながら
向き合っていた兄が話しかけた


その目は笑っていなくて
私は目の前にあるココアを
見ながら自信無さげに呟く。


『き…緊張…しちゃって…へへ、』


『方向音痴…だもんな?』


頬をポリポリと掻きながら
誤魔化すも兄はそうだよな?と
強制するかのように話す。


『ちゃんと…気をつけるっ』


『ん、いい子…。』


安心したのかカップを傾け
コーヒーを飲む兄にホッとした。


勘のいい兄に隠し事なんて
私も随分チャレンジャーだな…。


いっそ、壊れてしまいたい
そう思うのも私が悪い子…だから?


『そろそろ、時間だな…っ』


『あっ、…えっ、ホントだ。』


慌てて時計を見ると友達と
待ち合わせしていた時間に近く
私はココアを飲みした。


『…ん、行ってきます…兄さんっ』


『うん、いってらっしゃい。
今日も少し遅れそうだから、

いい子…で待ってるんだよ?』


『は…はい…。』


兄は立ち上がり私の目の前に
立つと私を見下ろし微笑んだ。


『なるべく早く迎えに行くから』


『う…うん、待ってる。』


する…と私の頬を撫でて
噛み痕がある首筋に触れた。


痛みはないものの傷がある
その恐怖にビクッとすれば


兄はわかっていたように
顔を近づけて


『ん…。』


私とは口付けを交わす。


『僕の事を忘れたら…わかるね?』


有無を言わせぬその声に
私は頷くことしか知らない。


こくこく…と頷けば
ぬる…としたが入ってきて
私の舌を絡めとる。


くちゅ…と出かける前の
いってらっしゃいのキス…


甘い筈の唾液もコーヒーの
苦味で顔をしかめてしまう。


兄はそれすらも楽しそうに…。


私を抱き締めてゆっくりと
離し手を振ってくれた。


『いってらっしゃい。』


『…いってきます、兄さん…。』



先生に会える…それだけを
胸に抱いて手を振った。



/ 32ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp