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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第17章 我儘に甘えて(秀吉)


『愛様…本当にお医者様お呼びしなくて宜しいのですか?』


秀吉の御殿では、愛付きの女中が
心から心配そうに、手ぬぐいを水に浸していた。



「ごめんなさい、お手間かけてしまって…
大丈夫です。ただの風邪ですから、寝てれば治ると思うので…
ゴホッゴホッ…』



一気に冷え込んだ気候に身体がついていけず、
高熱を伴う風邪をひいてしまったのは、昨日のこと。


秀吉が信長の命により、遠方への視察に向かった三日後だった。


『では、せめて家康様に使いを出して、
お薬だけでも頂いて来ましょうか』



ひんやりと冷えた手ぬぐいを額に当てながら
医者は要らないと頑なな愛に言う。



「だ、駄目ですよ。家康に知られたら、
秀吉さんが帰って来た時にバレちゃいますから…
仕事が一旦落ち着いているので、今日一日寝てれば熱も…
ゴホゴホッ…」


『咳も酷いですよ?大丈夫には見えませんし…。
とりあえず、生姜湯を入れて参りますね』


女中は必死にみんなには内緒にして欲しいという愛を
困ったように見下ろしていた。


「ありがとうございます。
うつしてしまったら申し訳ないので、
生姜湯頂いたら、もう下がって大丈夫ですからね」



女中が部屋を出て行くと、愛大きなため息をついた。


「はぁ。。。。」

やっちゃったなぁ…この悪寒の感じは結構熱出てるよね。
喉も痛すぎる…お粥すら食べたくないな…
着物の仕事は大丈夫だけど、流石に三日も安土城へ顔出さなかったら、
誰かに不審がられちゃうよね。絶対明日はお城へ行かなきゃ…



世話役の仕事を続けている愛は、
殆ど毎日安土城に出向き、各武将宛の文などを届けたりと
雑用をこなしていた。

仕立ての仕事が立て込んでいるときは登城できないときもあるが、
それでも二日以上は空けないようにしていた。


『愛様、失礼します』


女中が約束通り生姜湯をお盆に載せて持ってくる。


「ありがとうございます。
何かあったら呼びますから、そこに置いておいて下さい」


そう言うと、女中を下げさせた。


ゴホッゴホッ…


再び咳込み、生姜湯を一口含む。


うっ…しみる…

愛は喉の痛みに辟易して、再び布団に潜り込んだ。





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