第5章 5
政府本部の一角、6人程度の使用を想定した小さな会議室は、楽し気な笑い声に満ちてしまった。
と、いうのも。
いざ丙午と名乗った審神者の少女、
思っていたより受け答えはまともだった。
あれ? 勘違い? と思っている間に和やかなまま面談は終わり、これなら言えるぞ…!と思った私は、政府からの連絡…悪い知らせを、審神者と三日月に告げた。
結果として私の首は飛ばなかったが、審神者と付き添いの三日月宗近が大笑しはじめ、今に至る。
「やばいよみかちー、これで通報8回目だわー」
「いやあ愉快愉快、これも引く手数多というやつか?」
「うわー私モテすぎじゃなーい? 嬉しくないわー」
はっはっはっは、とめちゃくちゃ面白そうに笑っているが、
私がこのコンビに告げたのは、別にギャグでも何でもなく。
"あなたの本丸が黒本丸だという通報がありました"
この一言だけである。ほんとに。
ツボる要素が全く見当たらないのだが、告げた途端にドッキリのネタ晴らしを受けたように笑いだしたのだ。